TOP > バックナンバー > Vol.14 No.1 > カーボンニュートラル燃料 5
松浦ら(1)は、内燃機関を模擬した無触媒メタネーション反応器(図1)を提案し、その有効性と最適な運転条件を検討するため、Chemkin-Ⅱ(2)のICENを用いて0次元シミュレーションを行っている。メタネーションは、二酸化炭素と水素からメタンを合成する技術(CO2+4H2=CH4+2H2O)で、通常の反応器では触媒を使用するため、触媒が熱劣化するという課題が有る。しかし今回の提案では、触媒を用いないため、大幅なコスト削減が可能になるとのこと。本研究では有利な条件を議論するため、CO2(H2)転換率とCH4(CO)選択率を用いて、初期温度(図2)、初期組成、圧縮比、回転数の影響を検討している。メタン生成の反応速度を大きくするには、初期温度、水素の割合、圧縮比、回転数を増加させればよい。ただしメタンの生成量を多くするには、低温・高圧が有利であるため、初期温度はある程度低く、またSabatier反応の量論比に近い組成が良いと報告があった。再生可能エネルギーの余剰電力を利用して水素を製造し、発電所等から回収した二酸化炭素を活用するメタネーションにより合成される燃料は、カーボンニュートラル燃料である。
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