世界的に脱炭素の動きが加速しているように感じますが、皆さんはカーボンプライス(CO2価格)についてご存知でしょうか? CO2に価格を付けて取引する仕組みとしては、炭素税や排出権取引、クレジット取引などが始まっていますが、日本で行われているクレジット取引であるJクレジット(1)によると最近のCO2価格は1500円/t-CO2くらいのようです。
まず自分の生活で計算してみました。CO2排出が一番多いのは自家用車(ノンハイブリッドのガソリン車)です。走行距離は年間15000kmで燃費は10km/Lなので1500Lのガソリンを使っています。ガソリンのCO2排出係数(2)は2.322 kg-CO2/Lなので、3.5t-CO2となります。CO2価格が1500円/t-CO2とすると年間5250円です。つまり5250円払えば、ガソリン車を使ってもカーボンネットゼロとなります。この金額であれば、個人的には電気自動車を買うよりもエンジン車を買ってカーボンプライスを支払う方が良さそうにも思えます。
次に家で使っている電気で考えてみます。日本の家庭の平均消費電力量は年間で4000kWhくらい(3)とのことなので、東京電力エナジーパートナー社のCO2排出係数0.452kg-CO2/kWh(4)を使うと、1.8t-CO2となり、CO2価格が1500円/t-CO2とすると年間2700円です。自家用車と家の電気で年間8千円ほど支払えばカーボンネットゼロにできる訳です。
このように、今は未だCO2価格が安価なので、カーボンネットゼロにすることは、それほど大変には感じませんが、2050年にはCO2価格が30000円/t-CO2まで上昇すると言う予測もあり、そうなると先ほどの年間8千円は年間16万円になってしまいます。そもそも地球温暖化抑制が目的なのに、結局お金の話ばかりと言うのもレベルの低い話ですが、CO2排出削減の重要性を再認識するためにも、いろいろな場面でこのような計算をしてみると面白いです。
コメントを書く