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コラム

飯田先生
愛用のラップトップパソコンが起動しなくなった
My computer wouldn't start.
飯田 訓正
Norimasa IIDA
本誌編集委員 / 慶応義塾大学
JSAE ER Editorial Committee / Keio University

 愛用のラップトップパソコンが起動しなくなった。バッテリの劣化が原因と考え、新品バッテリを取り寄せて交換しても改善されず。これは買い替えのタイミングかな?と思いつつも、長年の使用で愛着を感じていたことから、PC修理の専門業者に相談したところ、次の回答を得た。「昨今のパソコン価格下落により、故障時には新品パソコンへ切り替えるのが最もお客様にメリットが高いと判断しております。と言いますのも、クラウド化が進み、パソコンを切り替えるための手間が大幅に削減されたことと、パソコンの設計寿命が短くなったので修理費用が相対的に上がってしまい、新品パソコンに買い替えた方がほとんどの場合安く済むようになったことが理由として挙げられます」。データのクラウド化が進み、パソコンは価格が下がる一方で設計寿命が短くなり、費用対効果の観点から修理のニーズが激減しているのだ。

人類の永続的な発展には、エネルギーの消費は欠かせない。生体を維持する食料エネルギー、焚き火は暖を取るために、また調理のためのエネルギー消費であった。そしてモビリティの確保、デジタル情報共有のためのエネルギー消費の時代になった。エネルギーのレジリエンスに加えて、そのポートフォリオがとても大事な時代にある。モビリティの実現には必ず動力を必要とする。陸、海、空、宇宙空間における各モビリティの動力源は多種多様である。自動車の動力源においても多様化の時代が続く。

 次世代エンジンは、エンジン単体の性能向上だけではなく、電動ユニットと組み合わせることを前提に各社が開発を進める。従来のエンジンと比べて高効率・高出力を実現しながら小型化し、e-fuel(合成燃料)やバイオ燃料、液体水素など多様なカーボンニュートラル燃料に対応。加えて、自動車の走行環境に応じてエンジン制御を行うことでエンジン・システムの最適化を行う、デジタル・トランス・フォーメーション技術を探求するに至っている。

 自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)は2024年4月に創立10周年を迎えた。AICEは、「内燃機関の性能向上技術の基礎・応用研究」にかかわる研究事業、MBD事業、ベンチマーク事業、調査事業の四つの事業を行っており、創立から一貫してふたつの理念を追求している。

  • 産学官の英知を結集し、将来に亘り有望な動力源の一つである内燃機関の基盤技術を強化し、世界をリードする日本の産業力の永続的な向上に貢献する。
  • 産学官の相互啓発による研究推進により、日本の内燃機関に関する専門技術力の向上を図り、技術者 および将来に亘り産学官連携を推進するリーダーを育成する。

 創立以来、さまざまな技術課題に対するデジタル・トランス・フォーメーションに取り組んできた。現在は、グリーン・トランス・フォーメーションへの対応として、カーボンニュートラルに向けた技術革新に取り組んでいる。2020年10月に日本政府が発表した2050年CN宣言に合わせて、内燃機関のCN技術シナリオを策定し、その実現に向けた「内燃機関の性能向上技術の基礎・応用研究」を展開している。

 この間、AICEは日本国内のプラットフォームとして大きく成長し、現在では1,000名を超える産学の技術者、研究者が参加する活動となり、多くの研究成果を創出するとともに人財の育成に貢献している。本誌の今回の特集では、AICEで表彰された若いエンジニアである大学生、大学院生の研究成果を紹介する。

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