大気環境技術・評価部門委員会

1.活動目的

自動車の低排出ガス化等により、PM2.5(粒径2.5μm以下の粒子)の大気環境基準は達成されつつあるが、オゾンについては大気環境基準が未達成である状況が続いている。PM2.5中の二次生成粒子(ガス成分が光化学反応で粒子化したもの)やオゾンは、光化学反応等が複雑に絡んでおり、原因となる物質(前駆物質)の低減がリニアな改善効果をもたらさない点で、従来のディーゼルPMの低減により大気中のSPMを低減できた例とは異なる様相を呈している。特に今後カーボンニュートラルを実現する次世代燃料を使用することが二次生成粒子やオゾンに及ぼす影響も評価していかなければならない。大気環境改善には、自動車排出物の個別成分解明、大気中の反応メカニズム解明、および健康影響評価が重要であると考えられる。したがって、本委員会では計測技術を含む排出実態把握や低減手法の検討から、大気観測、健康影響など大気汚染物質に関する研究を幅広く対象とする。自動車技術者と研究者、大気観測研究者、健康影響研究者、及び関連する行政官を構成員とし、最新の研究動向、規制動向に関する情報交換を行うことにより、委員、会員の情報の共有化を進める。

2.委員長・幹事(2024-25年度)

委員長 田中 光太郎(茨城大学)
幹事
  • 村島 淑子(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
  • 渡辺 宏江(日産自動車株式会社)

3.主な対象分野・事項

  • 排出ガス/有害排出物
  • 燃料改善/燃料改質
  • ブレーキ/タイヤ
  • 大気環境
  • 排出ガス
  • 有害大気汚染物質
  • 国際環境政策/政策分析
  • 規制/政策/標識
  • 健康影響
  • 気候変動

4.活動内容

・大気環境の課題であるオゾン(特にガス成分が光化学反応で生成される二次反応)についてのメカニズム解明、削減に向けた取り組みについて議論を継続すると共に、様々な分野の専門家からの情報収集を行い、より深い理解、情報の共有を図る。
・温暖化防止施策/1次エネルギーバランスの変化が及ぼす大気環境や車社会への影響についても議論を継続すると共に、様々な分野の専門家からの情報収集を行い、より深い理解、情報の共有を図る。
・自動車排出ガスのリアルワールドにおける排出実態について議論を行い、その特性の知見を得ると共に、最適な評価手法について議論する。
・粒子数規制について、様々な専門家からの情報を収集し、その特性の知見を得ると共に、最適な評価手法/校正法について議論する。
・各国の環境施策を理解しつつ自動車の大気環境へのリスク要因について議論を行い、環境と調和した自動車のあるべき姿を示す。

5.技術のロードマップ

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