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Vol.10 No.5

空飛ぶクルマを夢から形に
A dream come true a flying car
ー官民で動き出した新しい移動手段ー
-Moved with the public and private sector for new transportationー
細谷 満
Mitsuru Hosoya
本誌編集委員、日野自動車
JSAE ER Editorial Committee / Hino Motors, Ltd.

はじめに

 1970年~1990年にかけてSF映画やアニメが好きで、良くテレビに見入っていた記憶がある。その中で空を飛ぶ乗り物との出会いがあった。少年時にヘリコプターで自分の住む町の上空を遊覧する機会に恵まれたことも手伝い、私は空という空間を使い移動することについて子供のころから興味と憧れを持っていた。
 その空飛ぶ乗り物として、官民が協力し、「空飛ぶクルマ」がいよいよ実現へと動き出している。
 空飛ぶクルマは電動・垂直離着陸型・無操縦者航空機のこと。(1-1)
特徴として

  • パイロット免許を取得する必要がない。
    現行の自動車免許証に追加するくらいの知識、技量で済む。
  • ダイナミックで統合的な制御により安全を確保される。
  • 乗用車の延長線上で移動が可能となる。
  • 救急医療活動を含め様々な分野で活躍が期待される。

 車を含む空飛ぶ移動手段の将来に向けた夢と、実現に向けてのプロセスを読者の方々と共有したく、企画させていただいた。
 そこで、本特集においては、空飛ぶクルマに関する日本の構え、空飛ぶクルマ技術の進展、ビジネスモデルについて取り上げ、3名の専門家の方々に執筆していただいた。本特集が、移動手段の技術向上や、将来のより良い環境を作りあげて行く上で一助となれば幸いである。