TOP > バックナンバー > Vol.11 No.1 > 3 エンジンシステム設計・モデル開発Ⅱ
坂本ら(3-1)はターボチャージャモデルのパラメータ最適化に機械学習を適用した。一次元のシンプルターボモデルに伝熱モデルを追加することでシミュレーションの精度を上げることができるが、合わせこみが必要なパラメータが増加する。計算結果と実機の試験結果を比較してパラメータを最適化するプロセスにベイズ最適化と呼ばれる機械学習手法を適用した結果(図3-1)、人間のエンジニアが1週間かかった最適化を4時間で実行し、エンジニアによる最適化と同等のシミュレーション精度を得ることができた(図3-2)。
大久保ら(3-2)は車両の企画段階から欧州RDE規制への適合性を評価できる開発環境を構築した。実路における車速と勾配の分布調査結果に基づいてRDE走行パターンをランダムに生成し(図3-3)、バーチャル車両と組み合わせて排気エミッションのシミュレーションを繰り返して行った。その結果から、NOx排出量がワーストとなる走行パターンとして、上り勾配でエンジンアウトNOxが過大に排出されてNOx触媒の処理能力の限界を超えるケース(図3-4のID2)と、排気温度が低くてNOx触媒の活性が遅れるケース(図3-4のID3)があることを見出した。後者のケースでNOx触媒の早期活性を目的として排気ヒータを追加した仕様で再度シミュレーション評価を行い、NOxの低減効果を確認した。