TOP > バックナンバー > Vol.13 No.3 > CI機関(その3)
小川ら(1)は上下段にそれぞれ6孔を配置した12孔千鳥ノズルと、側面を上下段に分割した燃焼室を組合わせて(以下、上下分配型と記す)(図1)、エンジン試験を実施した。最適なノズルスペックは前報のCFD結果に基づき決定した。比較対象とした通常配置の8孔、12孔ノズルとリエントラント型燃焼室の組合せに対して、今回の上下分配型は図示熱効率向上(図2)と黒煙低減が得られた。熱発生を見ると、上下分配型は最大値が大きく、多噴孔の特徴である早期減少は見られずに後燃えが活発になっている。これらの良好な結果は、上下分配型による噴霧干渉の抑制にて得られたと示唆される。一方で、冷却損失の増加をCFDにより解析すると、今回は噴霧分配を重視して決定した上側噴孔の79°がヘッド側の損失を増加させているため、上下分配の最適化で改善が可能であることも分かった。
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