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野村ら(1)は発電用水素専焼エンジン開発の一環として、ノッキング予測モデルを組み込んだ一次元性能予測ツールにより、圧縮比・運転条件(設定空気過剰率、点火時期)の検討を行っている。ノッキングの予測には、GT-PowerにLivengood-Wu積分を利用し、未燃部着火遅れ期間の算出には、反応機構Aramco Mech 2.0を用いて見積もった着火遅れ期間をデータベース化し、活用している。また、三次元CFDを用いて燃料ノズル配置が点火時期での点火プラグ近傍燃料濃度に与える影響を評価している。実際に実機エンジンにおいて検証しており、図1に示すようにノッキングを抑制できたことで点火時期を進角でき、熱効率向上を達成している。
畑ら(2)は筒内直接噴射水素エンジンにおいて、ブローバイガス中の水素濃度を精度良く計測し、燃焼室形状がブローバイガス中の水素濃度と筒内気柱振動に与える影響を評価している。リエントラント燃焼室を用いることで噴射された水素噴流が燃焼室からスキッシュ部などに広がることを防ぐことを目指している。図2に示すように早期噴射条件ではブローバイガス中の水素濃度は高くなるが、気柱振動レベルはトレースノック以下である。しかし、遅角噴射条件では、ブローバイガス中の水素濃度は低くなるが、条件によっては気柱振動レベルが上昇することが確認できる。
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