TOP > バックナンバー > Vol.14 No.1 > 制御 2
倉持ら(1)は、ポート噴射火花点火機関の冷間始動時の未燃炭化水素排出に影響すると考えられる燃焼変動の低減を目指し、著者らのグループが構築してきたインジェクタから筒内へかけての燃料輸送現象の簡易モデルを用い、燃料の壁面付着および蒸発の影響を考慮して筒内実効当量比を適切に制御する燃料噴射スケジュールについて検討を行った。筒内実効当量比を変化させた事前の実験から、筒内指圧が最大となる筒内実効当量比ϕ_eff=1.67となる噴射スケジュールを設定した。その有効性を検証するために、三つの燃料噴射条件、条件①ϕ_eff=1.67、②最終的にϕ_eff=1.67となる吸気での当量比ϕ_intake=1.67、③ϕ_eff=1.67の初回の燃料噴射量で一定となるϕ_intake=6.39で始動実験を行った結果が図1である。始動時の燃焼変動(gross IMEPのCOV)がϕ_eff=1.67の条件で最も小さな値となり、始動時のサイクル毎の燃料噴射量制御が燃焼変動抑制に有効であることを示したものとなっている。
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