TOP > バックナンバー > Vol.14 No.1 > 排気・燃焼生成物・後処理2
川上ら(1)は、ディーゼルエンジン排ガス中の有害物質(PM:粒子状物質、NOx:窒素酸化物、HC:炭化水素)の後処理技術として低温プラズマを使用したシステムに着目し、低温プラズマリアクタによるPM、NOx、HCの処理性能を評価した。円筒型沿面放電素子を用いた低温プラズマリアクタを構築し、エンジン負荷やプラズマ電力、ガス流量が後処理性能に与える影響を調べている。図1はSMPSにて計測したリアクタ出口におけるPMの粒径別粒子濃度の一例であり、電力オフと比較して、100~400Wの処理によってPMを大幅に低減可能なことが分かる。また図2は電力のオン・オフが各種排ガス濃度に与える影響を示しており、電力を加えることでTHCとNOxは同時に低減され、THCの酸化によってCOは増加している。本研究では最高性能としてPM 96%、NOx 67%、HC 76%の同時処理が報告されており、実用化に向けた更なる同時除去効率の低減、装置の小型化、消費電力の低減等が期待される。
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