TOP > バックナンバー > Vol.14 No.6 > ミュージアム探訪のインプレッション
■日産エンジンミュージアムは、自動車のパワーソースであるエンジンにスポットをあて、絶えず挑戦し続ける日産の技術開発の足跡を紹介している施設です。同ミュージアムの運営は専任の学芸員が担当されていることをお伺いして感銘を受けました。ウィスコンシン大学のオットー・マイヤー先生から、「今まで何をやり、何が判かりましたか?」「次は何を行うのですか?」と、いつもシンプルながら深い質問を投げかけていただいたことを思いだしました。歴史から学ぶ大切さを忘れないようにしたいです。
慶応大学 飯田 訓正
■エンジン展示だけでなく昭和初期のオフィスの雰囲気を伝える室内の作りや、ミニチュアカーの展示も楽しめます。
日立Astemo 大西 浩二
■特に印象的だったのが「ターボ化戦略」。排ガス規制によりエンジン出力の低下が否めなかった時代、日産は1979年に日本初のターボを採用し、その後のターボブームに火をつけた。戦後、航空機産業の禁止により解体された中島飛行機の技術者が自動車開発に加わり、元々航空機の領域では常識だったターボを自動車に流用するアイデアをもたらした。ボディ成型に関しても航空機の技術が使われ、禁止処分を受けた航空技術が日本の自動車技術発展に大きく貢献したことは感慨深かった。
堀場製作所(HORIBA,Ltd.)森 雄一
■JR新子安・京急新子安駅から市営バスですぐ。歩いても20分弱。「右手のこの場所で日本ビクターがVHSを開発したんです」と聞きながら、目的地の日産ミュージアムに着きます。1934年から68年まで日産本社ビルだったそのものがミュージアムになっていて、地区そのものが日本の工業の最前線であったことを感じます。日産の歴史だけではなく、車のこと、エンジンとモータの勉強もできる部屋があり、日産旧本社、横浜市歴史建造物指定というだけでなく、学べる充実した設備でした。
展示ではS20型の実物があり感動しました。高橋国光さんのこのエンジンへの言葉が思い起こされます。原型となったGR8型やその後ルマン挑戦したVRH35Z、誰もが憧れたRB26DETTなど栄光に包まれたレース用エンジンと、排気ガス規制、燃費に挑んだ我々ユーザーのための工夫と挑戦に満ちたエンジンが並列に置かれ、日産の懐の深さを感じる場所でもありました。
山崎 敏司
■私が好きな日産車はスカイラインやZ、あぶない刑事のレパードなど全部と言ってよいほどです。
ミュージアムに向かい産業道路を歩くと、かつては蒸気機関車が走っていた鉄橋を見ながら戦前からあるという建物が見えました。
中に入ってすぐに、R35の展示と匠によるエンジン組み立ての解説に見入ってしまい、横浜工場ではVCRエンジンも組立ているとのこと。
蒸気機関車を感じつつ最先端のエンジン技術に触れることで温故知新を肌で感じ、先人達の技術に負けないように、これからのエンジン技術に貢献しなければと思いました。
日野自動車 吉冨 和宣
■入社以来、多くのエンジンの開発に携わった。今回初めて自分で図面を書いた部品が搭載されているエンジンに数十年振りに再会することができた。その部品をみながら、当時の物事に取り組む謙虚さ、なんでも調べようとする気持ちを失っていないか、内省した。
気が向いたときに、読者の皆様も務めている会社や自分のルーツを調べてみると、これからの行動の指針になるのではと感じる。
日産自動車 菊池 勉
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