TOP > バックナンバー > Vol.15 No.2 > 燃料/代替燃料
岡本ら(1)は、FT(Fischer-Tropsch)合成法による合成ガソリンおよび合成軽油の試作燃料について、日本のJIS規格への適合性を評価した。図1に示すFT合成燃料の製造フローでは、一酸化炭素と水素から合成ガスを生成し、FT反応による合成粗油を得るプロセスが示されている。FT合成ガソリンは、ナフサとワックス留分の処理により、オクタン価が向上し、市販ガソリンに近い特性を持つことが確認された。FT合成軽油はノルマルパラフィンを主成分とし、高セタン指数を示し、かつ、異性化処理によって低温流動性を確保した。さらに、従来の燃料製造に比べ、FT合成燃料の製造では脱硫工程が不要であるため、エネルギー効率が向上することも確認した(図2)。これらの成果は、将来の合成燃料の市場導入に向けた重要な知見になると思われる。
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