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Vol.15 No.3

ミュージアム探訪のインプレッション
Impression of exploring the museum
本誌編集委員
JSAE ER Editorial Committee

今回ミュージアムに参加した委員の印象を以下に紹介する。

 ■ゲートを入ると、風で動くオブジェがお出迎えします。見学の時間まで少し余裕があったので、2階にある食堂で食事をすることにしました。食事はとても美味しく、見学とセットにすることをお勧めします。
「性能は環境のために」をモットーに、省資源と低公害に挑戦し続ける日野自動車の車やエンジンの歴史を、実物を交えて分かりやすく展示しています。
 一番印象的だったのは、1階のメイン展示フロアに展示されているコンテッサです。近所の駐車場で見た以来、約50年振りに再会しました。エンジンルーム内のディストリビュータやスタータなど、現在とは異なる形式の部品を眺め、技術の進化を感じ、話題が尽きませんでした。
日産自動車 菊池 勉

 ■日野オートプラザは圧巻の作りです。歴代のトラック、乗用車、特殊車両、そして航空機に加えて、それらのパワーソースであるエンジンが展示されており、本ミュージアムは子どもから大人まで、老若男女、広い層の来訪者のことを考えた設計となっています。まずはレシプロエンジンのピストンをモチーフにした「エレベータの籠」に乗り2階に上ります。2階の展示を閲覧した後には、1階から2階からにかけて吹き抜けとなった円形のスペースがあり、空を舞う航空機と地上を走る自動車がイメージされる展示が見事でした。来訪者は円形の大きな吹き抜けの壁面に沿って緩やかにスロープを下りながら歴史が学べます。
 来訪者を暖かく迎え、楽しんで欲しいとする思い、そして「エンジンのロマン」に触れて欲しいとする、本ミュージアムを企画・設置し、また運営をされておられる方々の強い思いを感じました。
慶応大学 飯田 訓正

 ■展示ホールは一体感のある広い空間で、上階にあるエントランスからカーブを描いたスロープを降りていきます。フロア中央に展示されたボンネットバスと、天井から吊るされた航研機の模型が印象的です。一階フロアに降りると、ルノーやコンテッサのリヤエンジン乗用車が並んでいます。中でも美しいクーペの試作車は必見です。メイン展示フロアから短い通路を入った先にある黎明期のエンジン展示にはまた違った雰囲気がありました。並べられた航空機用や自動車用のエンジンからは歴史の重みと迫力を感じられます。なお実車だけでなく、エントランスにあるミニカーや模型の展示も充実しているのでぜひご覧ください。
日立Astemo 大西 浩二

 ■入社後、数年経って研究所に配属されたときに、自由に使って良いと言われた初めてのエンジンが可視化エンジンでした。そのエンジンベンチの動力計は社内で一番古く、まるで時計台のように大きな針のトルク計が付いており、更新すら忘れられているかとも思えるものでした。定かではありませんが、コンテッサのエンジンを試験していた物と聞いたことがあります。可視化単筒エンジンとはいえ、ボア135mm×ストローク150mm、圧縮比17のエンジンを回すには非力で、運転前に圧縮上死点越えからスタートしますが、手慣れた現場スタッフで無いと回転が続かず何も撮影できないまま半日の分解清掃となる日も多かったので、若いころは、ベンチ更新して欲しいと試験のたびに不満を持っていましたが、今思えば不便な時代の諸先輩方の精神に少しだけ触れる良い機会を与えられていたと思うと、コンテッサを見ながら反省した次第です。(現在ではベンチ更新されています)。
 日野自動車 吉冨 和宣

 ■工学の専門知識があまりない私ですが、日野オートプラザでは、様々な展示物を楽しみながら見学することができました。訪れたのは平日で、地元の方々も来館しており、説明員の解説を真剣に聞いている子供の姿が印象に残りました。
 見学中に雨が降り始め、外を歩いていた人々が雨に濡れないよう、警備員が博物館へ誘導している場面に出くわしました。こうした地元との自然な交流が、ミュージアムの親しみやすさを感じさせました。
 展示物の中で特に目を引いたのは「コンテッサ900スプリント」です。美しいデザインが印象的でした。
 また、併設のカフェでは軽食や飲み物を楽しむことができ、ミニカーショップもあり、訪れた記念にお土産を購入することもできます。家族連れでも楽しめる施設だと感じました。
 館内には、昭和の風景を再現したジオラマや模型が展示されており、その細部にわたる再現性には感心させられました。展示されている模型と同じトラックの実車もあり、実物とジオラマを見比べながら、当時の雰囲気を感じることができました。
JSAE事務局 島田 和弥

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