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Vol.14 No.3

先進ガソリン機関技術II
菊池 勉
Tsutomu KIKUCHI
JSAEエンジンレビュー編集委員
JSAE ER Editorial Committee

講演紹介(1)

 田中らは(1)、自動車の排ガス規制に対応するため、始動時のHCエミッションを低減する研究を行い、その成果を報告した。この研究では、排ガス中のHC組成を分析し(図1)、それに基づいて適切なゼオライト材料を選定することで、HCの吸着性能を向上させた。具体的には、小分子HC(C2-C4)にはCHA型ゼオライト、大分子HC(C7-C8)にはFAU型ゼオライトを使用した。小分子向けにはAg、大分子向けにはCuをイオン交換種として使用し、HCの脱離を高温まで遅延させる化学吸着用いた。エンジン直下に通常の三元触媒を設置し、床下にHCトラップを用いて始動直後に三元触媒を通過するHCを浄化するシステムを構築とした(図2)。このシステムを実車に組み込み、LA4モードでの走行試験を行った結果、始動後0-300秒間でエミッションを50%低減することに成功した(図3)。

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【参考文献】
(1) 竹折 浩樹、根本 康司、奥 裕希、生友 良平、森 武史、中尾 圭太、碓氷 豊浩、三橋 亮、中澤 直人、松尾 雄一  始動時HCエミッション低減のためのHCトラップシステムの開発、自動車技術会2024年春季大会学術講演会講演予稿集、No。20245072