TOP > バックナンバー > Vol.14 No.3 > 自動車用エネルギーの最新技術動向
富永ら(1)は、水素、合成燃料やバイオ燃料といった代替燃料のGHG排出量についてWell-to-Wheelによる評価を行った。加えて、それら燃料の実用可能性について検討したが、この評価手法に独創性を感じたため、以下に紹介する。
国内のエネルギー生産事情を考慮して算出した代替燃料の年間生産量に基づき、1年間で走行可能な乗用車および重量車のポテンシャル台数を評価した(図1)。年間走行距離は、乗用車は10,000km、重量車は100,000kmを想定し、燃費はそれぞれ2020年度、2025年度燃費基準推定値を用いた。代替燃料の中では、太陽光発電による水電解の水素を用いたFCEVは約3.9万台と最も車両台数が多く、次いで同水素を原料とするe-fuelを用いた車両台数が多い結果となった。水素の実用可能性が高い一方、バイオ燃料は走行可能台数が少なく、生産性面で他の燃料に劣ることが明らかとなった。今後は生産コストを含めた実用可能性についての評価も期待したい。
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