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Vol.14 No.3

カーボンニュートラルに向けた熱・流体技術
宮川 浩
Hiroshi MIYAGAWA
本誌編集委員
JSAE ER Editorial Committee

 カーボンニュートラルに向けた熱・流体技術のセッションでは全5件の発表があり、うち3件はAICEのプロジェクトからエンジン排熱回収に関する成果が示された。代表して新たな熱電素子材料開発について以下に紹介する。

講演紹介(1)車載に適した熱電変換材料

 太田ら(1)はエンジンの排熱回収による高効率化をねらいに、熱電変換のための新たな発電デバイス材料の開発を行った。シリーズHVとリーンバーンエンジンの組み合わせを想定し、200℃程度の排熱に適した熱電発電材料について検討した。この温度域に適した従来のビスマス系熱電変換材料は、機械強度が低く、密度が高い(7.5g/cm3)ことが車載に向けての課題であった。新たに開発されたアンチモン化マグネシウム系材料においては、Mg, Sb, Bi, Teの素材比率を調整することにより、ビスマス系と同等の熱電変換効率(表1)、圧縮強度の向上(図1)、低密度化(4.5g/cm3)を実現した。

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【参考文献】
(1) 太田 道広、Johari KISHOR、成毛 政貴、土屋 佳則、今里 和樹、Sauerschnig PHILIPP、石田 敬雄、山本 淳:車載に向けた熱電発電デバイスの機械強度の向上と高効率化、自動車技術会2024年春季大会学術講演会講演予稿集、No.20245192