TOP > バックナンバー > Vol.14 No.3 > ガスエンジン
鷹箸ら(1)は、環境省予算で水素エンジントラックの制作を行っており、本報はその実証試験の結果で、実用にあたって関心が持たれる運転特性、積載量、燃費について明らかにしている。車両は車両総重量(GVW)8t車をベースにしている(図1)。図で荷台とキャブの間に設置されている大きな箱状の部分に水素ボンベ(70MPa)のカードルが納められており、積載の重量(最大積載量は2.1t)、スペースはベース車両から減少しているが、このあたりは実用に近づく祭には改善が進むだろう。エンジンはポート噴射で圧縮比を9.6に低下させてSI燃焼を行っており、VGTを含む2ステージターボで出力を確保している。
実証走行として富山県および石川県内で都市内、郊外、高速を含む走行を行ったところ燃費は軽油換算で3.8~5.8km/Lであった。同様の運行をしたディーゼルトラックより燃費は劣った。実走行における平均速度と燃費の関係を図2に示す。平均車速が上昇すると燃費が改善する内燃機関車一般の傾向を踏襲している。その分析として、本車のエンジンにおいても低回転高負荷で熱効率が高いことが確認されており、その部分の使用頻度が高まることによる、としている。
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