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Vol.15 No.2

ガスエンジン
菊池 勉
Tsutomu KIKUCHI
本誌編集委員
JSAE ER Editorial Committee

講演紹介(1)

 桧山(1)らは水素エンジンの潤滑油中の水分増加に着目し、周囲温度や湿度、潤滑油温度、排気ガス温度が水分含有量に与える影響を確認するため、中型トラックを用いた実路実験を8月から1月にかけて実施し、潤滑油を定期的にサンプリングした。
 結果として、潤滑油中の水分は1月(2980km)に増加し(表1)、湿度と正の相関、排気ガス温度と負の相関が見られた(図1)。冬季にはエンジンのクランクケース温度が露点以下となり、凝縮が促進されることを示唆した(図2)。また、水素エンジンの露点はディーゼルエンジンより約8℃高く、水素エンジンでは凝縮がより起こりやすいことを示した。 このような実環境、実路での試験が幅広く行われ、実用面での水素エンジンの課題解決が進むことが期待される。

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【参考文献】
(1) 桧山 大輔、本宮 一稀、小野寺 康、山浦 卓也、長沼 要、伊東 明美:水素エンジン搭載重量車の実証試験委基づく潤滑油中の水分量に関する研究、2024年自動車技術会秋季大会講演予稿集、No.20246098