TOP > バックナンバー > Vol.15 No.2 > エンジン数値解析
緒方ら(1)が提唱する「継続したMBDプロセス」(図1)では、前車両モデルの開発で得られたモデルとデータを次期モデルの開発に再利用することで技術とノウハウの伝承を実現できると同時にMBDプロセスの効率向上が可能となる。
前型車の開発完了時に構築された再利用モデルに次期型車で要求される機能を付与したモデルをコンセプチュアルモデルと呼び、講演ではこのコンセプチュアルモデル(図2上段)から詳細設計仕様を反映した詳細モデル(図2下段)への移行についてHEV車両開発への適用例が説明された。コンセプチュアルモデルのコントロールモデルは詳細モデルではECU実装型ロジックに移行し、サーマルプラントモデルは詳細モデルでは車両CFD結果に基づく物理モデルに置換される。
図3に、車両実験結果のモード燃費を基準にした各モデルの誤差率を示す。走行モードによってはコンセプチュアルモデルに対して詳細モデルで誤差率の改善がみられることが分かる。また精度を向上させた詳細モデルは、図1中の検証フェーズにおける実車適合の工数低減にも活用できることが紹介された。
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