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Vol.15 No.4

CI燃焼4
小熊 光晴
Mitsuharu OGUMA
産業技術総合研究所
AIST

講演紹介(1)赤外高速度サーモグラフィによるディーゼル噴霧火炎衝突壁面輻射伝熱の抽出可視化

 志水ら(1)は赤外高速度サーモグラフィを用いディーゼル噴霧火炎衝突壁面の輻射伝熱の抽出可視化を試みた。クロム放射膜付き石英基板を燃焼室壁に見立て、噴霧火炎とクロム放射膜との接触による熱伝達を遮断する際はMgF2(フッ化マグネシウム)窓板パッチを同基板の上に設置した。MgF2パッチ無しの「輻射+対流熱伝達」赤外放射画像より全熱流束分布を、MgF2パッチ有りの「輻射のみ」赤外放射画像より輻射熱流束分布を、時系列画像としてそれぞれ得た。これらの画像は赤外放射強度を温度に対して校正し、得られた温度分布を境界条件として壁内部の三次元非定常熱伝達解析を行うことそれぞれの熱流束分布を求めた。その結果、全熱流束に占める輻射の寄与度は従来の報告よりも大きいことが示唆され、輻射による壁温上昇は接触による熱伝達に先行して円形に広がること、輻射熱流束は壁面荒さの低下に伴い減少することなどが明らかとなった。独創的で新規性のある解析手法を適用し新たな知見を得た、学術的にも工学的にも価値のある報告であり、更なる今後の研究発展に期待する。

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【参考文献】
(1) 志水 富賀、木下 浩行、長縄 荒野、諸岡 雅人、土畑 達也、柴田 亮、相澤 哲哉:赤外高速度サーモグラフィによるディーゼル噴霧火炎衝突壁面輻射伝熱の抽出可視化、第35回内燃機関シンポジウム予稿集、No.24-39