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Vol.15 No.4

制御・最適化
山﨑 由大
Yudai YAMASAKI
東京大学大学院
The University of Tokyo

講演紹介(1)

 NOx吸蔵還元型触媒(NOx Storage Reduction Catalysts;NSR)を対象にNOx吸蔵量推定モデルを構築し、そのモデルに基づいてリッチスパイク制御を適正化して燃費向上を目指した豊田中央研究所の池戸ら(1)による研究の第4報である。本報告では、これまでNSR触媒内温度を均一と仮定していたところ、前端、中央、後端の温度をNN(Neural network)モデルを元に構築したUKF(Unscented Kalman Filter)で推定し、それらの推定値をNOx吸蔵量推定モデルに用いることで、NOx吸蔵量の推定精度にどのように影響するかを評価したものである。ガス流れ方向の床温の温度分布を考慮した場合と床温平均値の推定値を用いる場合とを比較すると、温度分布考慮時にはNOx吸蔵率の最大絶対誤差はおおよそ半減できた。一方で、NOx吸蔵量の誤差は悪化しており、平均温度の推定精度よりも各部の温度の推定精度が低いことがその原因とし、床温の温度分布の更なる推定精度の向上が必要との見解を示している。

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【参考文献】
(1) 池戸 隆⼈、上田 松栄、稲垣 英人、“機械学習によるモデリング手法を活用した後処理状態推定(第4報、ガス流れ方向におけるNSR触媒床温の分布の推定)”、第35回内燃機関シンポジウム予稿集、講演番号53