TOP > バックナンバー > Vol.15 No.4 > LCA・システム
高須賀ら(1)は乗用車と重量車(GVW25t)を対象に、想定される様々なパワートレーンとエネルギーの組み合わせにおいて、LCAによるGHG評価(LCGHGと称される)を実施した。これまでのWell to Wheel解析に対して、車両、パワートレーン、バッテリ、水素タンク等の製造時GHG、ライフサイクル中に交換される回数分のタイヤ、潤滑油、バッテリ等の製造GHG、および廃却処理に伴うGHG等を考慮に加えた。これら生産、維持、廃却のGHGの算出にはLCIデータベースAIST-IDEAを基本にバッテリ等の一部例外は文献値を活用し求めている。また、CN燃料はCO2回収(CCU)の有無、電力は電力ミックスに加え再生可能エネルギーやマージナル電源等を比較に加え、さらに国の基本計画に基づいて2020年現在~2050年の将来までのLCGHGを検討した(図1)。なお重量車はトンキロあたりLCGHGで評価している。
解析結果によれば、2020年代では乗用車はテンサイ由来エタノールのHEVが(図2)、重量車では木材由来のFT燃料のデーゼルICEが低いLCGHGを示した(図3)。バッテリ電動車(BEVやBET)は乗用車では生産CO2が支配的となり、重量車ではバッテリ重量がトンキロ燃費を圧迫する。2050年代では再生可能エネルギー電源の場合にはBEV、BETのGHG大幅削減が可能であるが、台数増による電力需要対応にマージナル電源が使用される懸念について言及されている。なお、CCUの考慮により乗用車でのFTガソリンや商用車でのFT-Diesel燃料は引き続きLHGHGが低い。
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