TOP > バックナンバー > Vol.15 No.9 > 排出ガス
本セッションでは、Euro7で規制対象となるPN10(現行の粒径計測下限値の23nmが10nm以上へ拡大される)への対応を目指した研究発表が複数あった。
滝沢ら(1)は、初期PN捕集効率、圧力損失、および三元触媒機能を高い次元で成立させた触媒担持型ガソリン用パティキュレートフィルタ(4way-GPF)を開発した(図1)。彼らは圧力損失の悪化に寄与する隔壁表面捕集層(on-wall)の触媒密度を高くし、隔壁内部(In-wall)の触媒密度を低くすることで、浄化機能に必要な触媒コーティング量を確保しつつ、コーティング触媒によるガス流路の閉塞を抑制できると考えた。開発品は従来品に比べて低い圧力損失で初期PN捕集効率の開発目標を満たしつつ、三元浄化特性の低温活性を改善したとしている。
阿野田ら(2)はディーゼル機関のEuro7対応後処理システム((図2左))のPN10排出挙動について詳細に調査した。尿素水を噴射する位置と温度によって尿素水由来のPN10が大きく変化し、近接(close-coupled, cc)SCR上流位置で尿素水を噴射した場合はPN10がほとんど排出せず、床下(under-floor, uf)SCR上流位置で尿素水を噴射した場合にPN10が顕著に増加した。DPF強制再生やDPF連続再生が起こる高負荷時のPM燃焼過程でのPN10排出量を調査したところ、高排ガス流量条件においてPN10排出量が増加した。この具体的なメカニズムは未解明だが、PM燃焼が部分的に進んだ状態(図3の(B))で一時的に局所流速が上昇することでPN10排出ピークを示すという仮説を立てた。この仮説の検証を期待したい。
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