モータースポーツシンポジウム開催報告
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公益社団法人自動車技術会(会長 松本 宜之)は、2017年3月1日(水)に、都内の工学院大学 アーバンテックホールで、シンポジウム「モータースポーツ技術と文化 ─進化し続ける開発手法の最前線─」を開催しました。総来場者数148名。
本シンポジウムは、本会のモータースポーツ部門委員会により2004年から毎年開催されているもので、今年で14回目になります。
本年度は、モータースポーツにおける車両/エンジン等の開発手法を中心とした最新技術をご紹介しました。
SuperGTのGT500クラスのマシン開発や全日本 学生フォーミュラの活動等、エンジニア以外の方々にも興味を持って聞いていただける内容も組み込みました。
講演プログラム
- 【SGT GT500 NSX Concept GTの開発】
- 本田技術研究所 徃西友宏氏
- 国内で人気の高いSuperGTのGT500クラスにHondaから2014年から2016年まで参戦したNSX Concept GTの車両開発の全体像を紹介いただきました。
※NSX Concept GTは、ミッドシップレイアウト+ハイブリッドという他車と異なる仕様でSuperGTのGT500クラスに参戦
- 【DEVELOPMENT OF A CRASH CALCULATION METHOD FOR CFRP RACE VEHICLE STRUCTURES(英語講演)】
- トヨタ自動車 三浦知彦氏
- CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)複合材によるクラッシュ時の解析手法を講演いただきました。
- 【全日本 学生フォーミュラ大会参加チームの取り組み】
- 東海大学
- 東海大学のTokai Formula Clubから全日本 学生フォーミュラ大会の概要と活動内容を紹介いただきました。
- 【MotoGP 開発における完成車シミュレーション】ホンダ・レーシング 西村正嗣氏
- MotoGP参戦車両のトータルパッケージシミュレーション事例を紹介いただきました。
※MotoGP:二輪ロードレース世界選手権の最高峰カテゴリ
- 【ドライビングシミュレータ技術の開発と活用最前線】
- 鷺宮製作所 田中健介氏/日本ヴイアイグレイド 吉井 亨氏
- 試作車や試作部品を実際に制作する以前に評価を行う試験装置として開発したドライビングシミュレータを紹介いただきました。
- 【ドライバの集中と回復 ~栄養学と東洋医学からのアプローチ~ 】
- Fusion 井原慶子氏 / Love drive 後藤瑞季氏・大平夢見氏 /マツダ 上村昭一氏
- 上村昭一氏と井原慶子氏から「Mazda Women in Motorsport Project 2016」の活動内容を紹介いただきました。
また「ドライバの集中と回復」という題材にて、女性目線で同プロジェクト所属の後藤瑞季氏から東洋医学、大平夢見氏から栄養学のアプローチで講演頂きました。
【自動車エンジン筒内解析ソフトウエア HINOCA の開発 】
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 溝渕泰寛氏戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「革新的燃焼技術」制御チームにて、開発を進めているHINOCAを紹介いただきました。
※HINOCA:自動車エンジン燃焼3次元解析ソフトウエア
- 【モータースポーツ用直噴過給エンジンの燃焼に関する考察~Combustion Study of Gasoline Direct Injection Turbo Engine for Motorsport ~】
- ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル 松村基宏氏
- 近年レース用ガソリンエンジンにおいて高出力と高熱効率(省燃費)の両立が必須となっており、特に筒内直接噴射+ターボ過給ガソリンエンジンでは、高負荷希薄燃焼技術の改良により熱効率を向上させています。今回は、高負荷希薄燃焼の燃焼改良技術について耐久レース用エンジンでの応用事例を用いて紹介いただきました。
- ●展示:RC213V(車両展示)Repsol Honda Team レプソル・ホンダ・チーム
- ●展示:CFRP複合材のクラッシュ解析手法(パネル展示) TOYOTA GAZOO Racing
- ●展示:東海大学の展示
【本件に関する問い合わせ先】
(公社) 自動車技術会 担当:島田 鹿目(かのめ)
TEL: 03-3262-8219 FAX: 03-3261-2204 E-mail: press@jsae.or.jp