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超低貴金属触媒

  • 超低貴金属触媒

従来の貴金属使用量を75%低減でき、且つ従来と同等のクリーンな排気ガスを実現する新触媒。クルマの触媒に使われるPt(プラチナ)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)全ての貴金属に適用でき、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンはもちろん、自動車以外の触媒についても適用できる。貴金属使用量50%低減触媒を2008年発売キューブに世界初採用。75%低減触媒を2012年から国内外の車種に採用。

保管場所
製作(製造)年 2008
製作者(社) 日産自動車株式会社
資料の種類 量産車
現状 市販中
搭載車種キューブ、ノート、GTR等
エピソード・話題性第60回自動車技術会賞 技術開発賞
平成23年度関東地方発明表彰 発明奨励賞
特徴触媒中の構造をナノレベルで制御し、貴金属を付着させる基材のまわりに物理的な仕切りを設定することで、貴金属の凝集による排出ガスとの接触面積の減少を抑え、貴金属の使用量を半減した。また、貴金属の浄化機能を高める酸素吸放出材(助触媒)をナノレベルで近接化、貴金属の使用量をさらに半減化し、貴金属使用量75%低減を実現。
基材には、セリア(CeO2)を主成分とする貴金属との化学結合力が強い材料を使用、仕切り材にはアルミナ(Al2O3)を主成分とする貴金属との化学結合力が弱い材料を使用しており、排出ガスの耐久条件下でも基材の凝集を抑制、各基材が孤立した状態をとる。また、貴金属粒子は仕切り材を乗り越えて移動しないため、貴金属は個別の基材上での凝集に留まる。
参考文献日産自動車ニュースルーム
2009年自技会論文 (自動車技術会論文集 Vol.40 No.4)
2011年自技会論文 (自動車技術会論文集 Vol.42 No.2)