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ミラーボアコーティングによるライナーレスシリンダブロック

  • ミラーボアコーティングによるライナーレスシリンダブロック

特殊粗面加工したシリンダボア内壁に液体の鉄を噴射して薄い被膜を形成し、膜表面を鏡面状に磨きあげたシリンダブロック。従来の鋳鉄ライナーをボアコーティングに置き換えることで軽量化と冷却性能を向上させると共に、鏡面処理することで摺動抵抗を低減させた。2007年、低圧ダイカストシリンダブロックへのボアコーティング技術を開発しGT-Rに採用、さらに2014年には高圧ダイカストシリンダブロックに対応させたミラーボアコーティング技術を開発、2016年時点ジューク、ノート、セレナに採用。

保管場所
製作(製造)年 2014
製作者(社) 日産自動車株式会社
資料の種類 量産車
現状 市販中
搭載車名ジューク等
エピソード・話題性2014年日本トライボロジー学会 技術賞
第31回素形材産業技術表彰 経済産業大臣賞
特徴シリンダボア内壁に金属皮膜を形成することで、従来の鋳鉄ライナーに対し鉄部分の肉厚を大幅に薄くして軽量化を実現。溶射時に形成される膜表面の微細な気孔を利用して潤滑性を確保し、膜表面を鏡面化することで摺動抵抗を低減する。
被膜の耐剥離性を確保するため、シリンダボア内面に特殊粗面加工を施し、溶射方式はアーク溶射にて行う。薄い溶射膜はアルミニウム母材加工面の鋳造欠陥を転写するため、シリンダブロックの主力量産工法である高圧ダイカスト法において、短時間充填・キャビティ高真空化・油性離型剤・型温コントロールといった鋳造技術開発を行うことにより、課題をクリアし量産化させた。
参考文献日産自動車ホームページ
日産技報 No.76(2012-11)
素形材 Vol.56 No.12(2015)
2008年自技会論文 (自動車技術会学術講演会前刷集 No.75-08)
2014年自技会論文 (自動車技術会学術講演会前刷集 No.91-14)
2014年自技会論文 (自動車技術会学術講演会前刷集 No.136-14)