1992年にDYC(Direct Yaw moment Control)の考え方、および線形から非線形まで車両の運動性能を評価できる新しい解析方法であるβ-メソッドを発表した。1996年には、この考え方に基づき、前輪駆動車の駆動力を左右に制御配分するATTS(Active Torque Transfer System) を開発しプレリュードに搭載した。これにより、ATTSによるヨーモーメントの直接制御は、旋回加減速時における車両挙動変化の抑制および旋回限界向上に限界を含めた非線形領域まで有効であることを確認した。新型車に搭載された世界初の四輪駆動力自在制御システムはドライバの運転操作や走行状態から最適な前後左右の駆動力配分を判断し、前後配分を30対70から70対30、後輪左右配分を0対100から100対0まで無段階制御。あらゆる走行状態において四輪それぞれのタイヤの能力を最大限に引き出し、駆動力を走行加速のためだけでなく、曲がる性能である操縦安定性にも活用すること、運動性能をこれまでにないレベルに引き上げることができる。