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レーザレーダ追突警報装置

  • レーザレーダ追突警報装置

1.世界で初のレーザーレーダを応用した追突防止警報装置である。
2.自車の前端部に設けられたレーザーレーダ受発光装置から発射したレーダが前方車の後部反射器に当たって戻ってくる時間と自車の走行車速から、前方車との間の車間距離と相対速度を素早く演算する。
3.走行車速に対して車間距離が一定限度を割り込むと、先ず注意警報が発報し、更に別に設けた限度値を割り込むと危険信号を発報する。発報する限界値は運転手の好みに応じて遠・中・近の3段階に切り替えできるようになっている。
4.路肩のガードレールに設けられた反射器に対しては、最初の1個に対しては反応するが、2個目以降に対しては反応しないように工夫されている。
5.そのほか、等車速・等車間距離の場合や、渋滞気味な市街地での低速走行時等にも余分な発報を抑制する機能を備えており、運転手の身になった自然な警報を発する機能を持っている。
6.発売当初のものはレーザーレーダは写真(右端)に示すように形状がやや大きかったが、4年後には小型化が図られ性能向上と併せて実用性が大きく向上した。また、表示部もオーディオの2DINサイズとして計器盤に組み込まれる等改良が続けられ、現在の追突防止警報装置発達の先駆的役割を果たした。

保管場所 日産ディーゼル工業株式会社(〒362-8523 埼玉県上尾市大字壱丁目1番地)
製作(製造)年 1989
製作者(社) 日産ディーゼル工業(株)
資料の種類 量産品
現状 非公開
型式名トラフィックアイ(第1世代)
通称名トラフィックアイ(第1世代)
技術用途トラック・バスの追突警報
適用車種トラック・バス一般(24V車)
製作年1989-1993
実用化年1989
設計者安間 徹
協力者日産自動車㈱、関東精器㈱(現㈱カルソニックカンセイ)
装置構成レーザ受発光部:車両前面;指示部:運転席;車速検出部:TM部
表示部運転席への取付方式:インストルメントパネル上乗せ;表示内容:障害物までの距離;表示方法:LED(発光ダイオード);寸法:幅x高x奥行 150x60x120;警報発生方法:電子ブザー;質量:0.5kg;検出距離の切替:遠・中・近の3種;警報種類:注意および危険信号
性能機能前方障害物検出距離:90m以上(車両の後部反射器を照射時);警報発生方式:①前車との相対車速、②自車車速比例距離、③停止車両検出による演算処理;警報抑止機能:①低車速時、②曲線路通過時、③等車速・等車間距離時
効果居眠り運転や脇見運転に起因する追突事故が回避され、道路上の交通安全性が向上する。本装置を装着した車の運転手は半年に1~2回程度警報本によりハッと気づき事故を回避したという経験が寄せられている。
エピソード・話題性世界で初のレーザーレーダを応用した追突防止警報装置である。
特徴前方車の後部反射器を検出対象にして時々刻々自車からの距離および相対速度を測定して、自車の速度に応じた演算処理を行い注意及び危険の2種類の警報を発生する。
参考文献南清志・安間徹・岡林繁・坂田雅男・村本逸朗・神頭忠夫「トラック用レーザーレーダ追突警報装置」日産ディーゼル技報No.50,p.17-22,1988.7
安間徹・小林正登・石川知成・神頭忠夫・村本逸朗「大型トラック用追突防止警報装置」自動車技術Vol.43(2),p.65-73,1989,2
安間徹・南清志・岡林繁・村本逸朗・神頭忠夫、自動車技術論文集(41)p.57-62,1989,5
安間徹「トラッフィクアイについて」日デ技報No.52,p.131-133,1990.4
安間徹・小川幸夫・荒井定之「トラッフィクアイレーダの雨、霧の透過性と視界」日デ技報No.53,p.26,1991.4
安間徹・権守厚・松森悟・西野潤「小型化したレーザレーダを用いた追突警報の性能と機能」自動車技術会講演前刷集939,p.129-132,1993.10
その他事項実物所在:実車稼動中;発光体種類:GaAs/GaAlAs レーザダイオード;発生ビームの数:3;主要波長:890nm(赤外域);パルス発光時間:70~100μsec;発光時間間隔:130μsec;発光出力:10W;反射光検出距離:約90m以上;照射路面上有効幅:3.5m;寸法mm:幅×高×奥行:200×80×170;質量:1.6kg