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電子制御システム検査 LET(Line End Tester)システム

  • 電子制御システム検査 LET(Line End Tester)システム

 近年急激に増加している車両の電子制御システムの品質保証のために、従来使用していた2.1G LETの次世代機として性能を飛躍的に向上させた。
 ハードウェアは、工場環境で求められる耐久性を実現するために車載ECU開発フローを活用し車載ECU同等の信頼性試験をクリアした。
 ソフトウェアは、多量検査を実行するために同時複数ランダム実行技術、低コストで適用を拡大可能にするために工程シナリオ化技術、高速で不具合解析と新機種立上げをするために通信パケットログ取得技術を導入した。同時にソフトウェア検証のために、シミュレーションツールも開発し、実車レスで車両検証、検査ライン検証が可能な環境を構築した。
 また、安定量産のためには無線通信の信頼性も肝になるため独自の検証環境も構築した。

保管場所 ホンダエンジニアリング(株)
製作(製造)年 2015
製作者(社) ホンダエンジニアリング株式会社
資料の種類
現状 量産
会社名ホンダエンジニアリング株式会社
通称名3.0G LET
構造・方式・手段・方法等冗長部品を廃止しながら流用部品を増やすことで、材料/製造コストダウンを実現。
将来の車両通信進化対応に備えながら、処理負荷分散を図るために、車両通信
基盤とメイン基板を分離する構造。
2.1G LETの検査ソウトウェアは基本的に流用。
機能・作用等競合他社に対し優位性を保つために、2.1Gに対し下記の6項目の強化をめざし開発を行った。
また、7番目の外的要因と内的要因に対する柔軟性も実現の目標とした。
1.販売価格1/2
2.ハードウェア信頼性向上
3.同時に検査できる数2倍
4.設備稼働率99.99%(不稼働1/50)
5.無線LAN通信エラー率1/10
6.8年間継続して作成してきた、約700個に及ぶ既存検査ソフトウェア(検査ソフト)活用
7.OBDⅡの規格の変化(外的要因)やLETの製作所におけるニーズ(内的要因)に対し、
  最短かつ最低限のコストで対応できるハードウェア、ソフトウェア構造の実現
エピソード・話題性 LETのような外部診断機は他社でも開発が行われているが、HondaのLETの優位性は、
同時に多くの検査が実施できることにある。これにより世界中の量産ラインに人には見え
ない電子制御システム検査が安く簡単に導入できるようになった。
 このLET技術は、ECUの機能学習、ECUへのプログラム書込みにも活用している。また
二輪や船外機の電装検査など、領域を超えてHonda全体に拡大中である。